先の見えない仕事をしていて将来が不安になった話【会社を辞めた話 第43話】

この記事の続きです。

自分で商品を売ってみてわかったビジネスにおいて大切なこと【会社を辞めた話 第42話】

 

1話目はこちらです。

新卒入社した一部上場企業を1年で辞めた話【会社を辞めた話 第1話】

 

出張が始まって3ヶ月。

地方の同じところにこんなにも長くいると、さすがに土地勘もできており、地元民以上に地元のことを知り尽くしているのではないかと思うくらい、全て知っていました。

 

ホテルに戻ってもテレビくらいしかないので、できるだけいろいろなところに出るようにしていたからというのもあります。

のんびりしていて贅沢だと思うかもしれませんが、思い返すとあのときは人生で上から数えられるくらいのツライ時期でした。

 

ただ時間だけが過ぎていく

ご飯は決まっていつもホテルの近くにある食堂かコンビニを変わりばんこにし、週末になると図書館に引きこもったり公園を散歩

会社にいたら同期や仕事仲間と飲みに行ったりもできるのでしょうが、出張先の仕事でいつも一緒にいるのは別の会社の年配の方で、とくに週末は誰ともしゃべることはなく、ただ時間だけが過ぎるのを待っていました

自分の家だったら何かに没頭することもできたのかもしれませんが、ホテル暮らしだと どうも都合の悪いことが多く、良い加減この生活にも飽き飽きしていたのです。

 

なんとなく過ごしていると、時間だけはあっという間に過ぎていきます。

もう1週間がたったのか……と、罪悪感のような感情だけが残りました

 

しかしあれこれ考えてもどうしようもないので、今のプロジェクトが早く終わることだけを願っていました

年内に終わると聞いていたこのプロジェクトはもう年をまたいで春になろうとしています。

これがまだ1年くらい続いたらどうしようなんて本気で不安に思っていました。

いや、今までの感じだと続く可能性も十分ありました。

この先の見えない出張に限界を感じていました

 

限界を越えるとどうなるのか

ついこないだまで、インターネットで何かを売ろうと精力的に動いていたのですが、それも続けられなくなって、何か心にぽっかり穴が空いたような感情に包まれていました。

 

とうとう公園でネコにエサをあげて過ごすようになりました(笑)

最初は草の影からこっちを見ているのですが、エサがあるとわかると近づいてきます。

しかしまだ警戒されているようで、手に持っていると、なかなか食べてくれません。

ところが地面に置くと近づいて食べてくれます。

 

面白いのが、慣れてくると相手も少しずつ心を開いてくれるようになるのがわかることです。

この一進一退に格闘し、週末はネコと仲良くなるために全力を注いでいました

 

事態は一変

もう春になり、外は暖かくなってきました。

すがすがしい気候とはうらはらに、心は沈んだままでした。

 

しかしこの後、今の生活がまだ良かったと感じることになろうとは……。

僕の人生を大きく変える、いや、日本中を巻き込んだ、まさか考えられないような出来事が起こったからです。

 

それは2011年3月11日のことでした。

 

以下の記事に続きます。

東日本大震災が起きた当日のエピソード(震源地から離れた場所に出張中)【会社を辞めた話 第44話】